Wilderness Medicine Training Center
日本国内でWMTC野外救急法を開催できる団体はbackcountryclassroom のみです。
YMCA総合研究所 YELL研修事業・呼子には、WMTC野外救急法インストラクターが在籍しており、WMTC野外救急法を実施しています。
野外教育指導者のための野外救急法
現代の野外活動に不可欠な安全管理: 野外装備の進化やアクティビティの多様化により、私たちの活動フィールドは広がっています。しかし、そこは「携帯電話の圏外」であり、「救助隊の到着までに数時間から数日を要する」場所でもあります。救急車がすぐには来られないエリアで活動する以上、指導者にはその環境に特化した救急技術が求められます。
指導者としての説明責任(アカウンタビリティ): 野外教育指導者は、活動フィールドの特性に合わせた万全の安全管理体制を整え、参加者や保護者に対してその説明責任を果たさなければなりません。傷病を未然に防ぐ「予防」の知識と、発生時に現場で最善を尽くす「対応」の技術を習得することは、プロフェッショナルとしての義務と言えます。
野外環境に特化した高度なリスクマネジメント: WMTC(Wilderness Medicine Training Center)のプログラムは、限られた装備と厳しい自然環境の中で、いかに傷病者の状態を安定させ、適切な判断(現場維持か、避難か、救助要請か)を下すかに特化しています。この講習を通じて、野外教育におけるリスクマネジメントの質を飛躍的に高めることができます。
WMTCとは
〜野外指導者のための、より実践的な野外救急法の追求〜
野外指導者の経験から生まれたプロバイダー: WMTCは、アメリカ・ワシントン州マザーマに本部を置く野外救急法プロバイダーです。1997年、ポール・ニコライゾ氏によって設立されました。ニコライゾ氏の35年にわたる冒険環境での指導経験に基づき、従来の救助法や応急処置を超えた「野外指導者にとって真に最適な手法」を追求し続けています。
進化し続ける教育カリキュラム: 現代の野外指導者に最適化された教育法、教材、カリキュラムの検証・改良を常に重ねています。野外救急法コースの提供や指導者養成のみならず、最新のエビデンスに基づいたテキスト開発や、野外救急用品のプロデュースまで幅広く展開しています。
日本におけるWMTCの歩み: 本国内では、2016年3月に茨城県つくば市にて最初のコースが開催されました。これは、WMTC本部でのインストラクター養成を経て、日本人として初めてライセンスインストラクターおよびライセンスオーガニゼイション(公認主催団体)の資格を取得した岡村泰斗氏(株式会社backcountryclassroom代表)のリードにより実現しました。
国際的な野外指導者養成との連携: WMTCは、国際的な野外指導者資格において最高峰の救急要件とされる「WFR(Wilderness First Responder)」等の講習を提供しています。日本国内においても、WEA(Wilderness Education Association)の国内組織であるWEAJと連携協定を締結。質の高い指導陣により、世界基準の野外救急法を国内で提供する体制を整えています。
特徴
野外指導者のための「臨床的判断力」の養成: 単なる応急処置の技術習得に留まらず、限られた装備と厳しい環境下で「現場に留まるか、直ちに避難(エバキュエーション)させるか」を判断するための、高度な臨床的アルゴリズム(判断基準)を学びます。
最新のエビデンスに基づいた独自カリキュラム: 創設者ポール・ニコライゾ氏の長年の経験と、最新の野外医学・救急医学のエビデンスを融合。野外教育の現場で実際に起こり得るシナリオを想定し、常に検証と改良が繰り返される「生きたカリキュラム」を提供しています。
徹底した「プレ学習」と「実践演習」の組み合わせ: 事前にWEBサイトやテキストで基礎知識を習得した上で、集合講習では「実践」に時間を割きます。身体を動かし、五感を使って状況を評価する「シナリオ・シミュレーション」を繰り返すことで、現場で動ける確かな技術を定着させます。
指導者の「説明責任(アカウンタビリティ)」を担保: 国際的な指導者養成組織(WEA等)とも連携した世界水準の講習内容は、プロの指導者に求められる安全管理の説明責任を果たすための強力な裏付けとなります。
現場を想定したクリエイティブな応急技術 :ザック、ロープといった身の回りの野外装備を救急用具として活用する「即興的な技術(Improvisation)」を習得します。
受講対象者
コースアウトライン
WMTC資格
WMTCでは野外救急法の実践ガイドライン(SOP)に基づき、Wilderness First Aid:WFA、Wildernss Advance First Aid:WAFA、Wilderness First Responder:WFRを提供しています。
WMTCのコースは北米のその他の野外救急法プロバイダー、保険業界、ガイド業界に認められています。
WMTCのクオリティは、そのコース、教材、指導法、コースタイプ、指導者を見ていただければすぐに理解できます。
WMTCは野外救急法のプロバイダーでは唯一、スタンダードコースとハイブリッドコースの2つのタイプのコースを提供し、生徒のさまざまなニーズに応えています。
WMTCの資格は、その種類に関わらず3年を上限として有効期限がある
修了者は有効期限前に資格を更新しなければならない。
正しいコースの選択
日本国内でも受講者のニーズに応えるようできるかぎり多くのタイプのコースを開催しています。
それぞれのコースの特徴をよく理解し、みなさまが必要とする資格のタイプ(WFA、WAFA、WFR、更新)と、コースのタイプ(スタンダードコース、ハイブリッドコース)を選択してください。
資格タイプ
Wilderness First Aid(WFA) :レスキューと通信が可能であり、8時間以内にレスキューが到着する、主として日帰りの野外指導で用いる野外救急法。
Wilderness Advance First Aid(WAFA) :レスキューと通信が可能であり、12時間以内にレスキューが到着する、主として数日間の野外指導で用いる野外救急法。
Wilderness First Responder(WFR) :レスキューと通信ができず、12時間以内にレスキューが到着しない可能性のある、主として数日間の野外指導で用いる野外救急法。
コースタイプ
スタンダードコース
レクチャー、スキルラボ、シミュレーション、ケーススタディが含まれる包括的なコースで、すべて実地研修で行います。
はじめて野外救急法を受講する生徒や、事前学習の時間が十分にない生徒にとって適しています。
WFA(3日間)、WFR(9日間)
ハイブリッドコース
デジタルハンドブックや、ホームページの情報を用いて、事前に学習し、オンラインテストに合格した生徒のみが、実地での実践コースに参加することができます。
PCか専用のテストのサイトにアクセスする必要があり、もし、自己学習を望み、PCの使用に慣れており、スタンダードコースに参加する時間のとれない人に向いています。
WFA(事前オンラインテスト+2日間)、WFR(事前オンラインテスト+5日間)
Wilderness First Aid(WFA)コース
WFAコースとは
コース概要
WFAコースは、救急車が来ることのできる野外指導や、通信手段の確保されている日帰りの野外遠征の指導者を対象に計画されています。
全米キャンプ協会や、全米ボーイスカウト連盟で採用されています。
コースの内容は、一次救命、外傷、環境(選択制)、脊椎評価、アレルギー反応など、野外でもっとも起こりやすい傷病の評価と処置を中心に行い、現場での傷病者の安定化に焦点を当てています。
シミュレーションやスキルラボなどの実践体験に多くの時間を割り当てています。
スタンダードコースとハイブリッドコースの2つのタイプのコースを提供しており、参加者のニーズに応じて選択できます。
WFAコースは、WAFA、WFRの更新のためにも用いられます。
WFAの3年間有効資格の合格基準
BSLロール(BtoS/StoB/FtoB)ができる
レスキューブリージング±マスクができる
プレッシャーバンテージによる止血ができる
脊椎の安定化・固定(Cカラー)・評価ができる
PASに従い、SOAPノートに記入することができる
全身検査ができる
↑ICP、脳震とう、呼吸不全、ボリュームショック、安定・不安定なケガ、日焼け、脱水、熱疲労、熱射病、低ナトリウム症低体温、全身アレルギー反応、溺れを正しく同定、評価できる
心臓病、喘息、糖尿病などのレッドフラッグの疾病に対して処方薬を処置できる
創の処置ができる
足首、手首、膝の固定ができる
スタンダードWFAコース
すべて実地研修で行う3日間のコースです。
レクチャー、スキルラボ、シミュレーション、ケーススタディが含まれる包括的なコースです。
はじめて野外救急法を受講する生徒や、事前学習の時間が十分にない生徒にとって適しています。
コースシラバス
ハイブリッドWFAコース
事前のオンライン学習とテストを経て、2日間の実地研修を行うコースです。
自己学習は、野外救急法デジタルハンドブックや、WMTCのウェブサイトを参考に行います。
2日間の実地研修に参加する前にオンラインテストに合格する必要があります。
事前学習に十分に時間をとることができ、実地研修に参加する時間がなく、PCの扱いに慣れていれば、ハイブリッドコースがお勧めです。
ハイブリッドコースに登録すると、事前学習とオンラインテスト専用のサイトの情報とパスワードが送られます。
どのように事前学習とオンラインテストを進めるかよく理解してください。
オンラインテストは、すべての単元で80%以上の正解が必要となります。
3回まで再テスト可能ですが、3回不合格になると、実地研修を受けることができません。十分に注意して、事前学習とオンラインテストを進めてください。
ハイブリッドWFAコースシラバス
ハイブリッドWFAコース専用サイト
受講者の声
受講動機
頻繁に野外で活動し事故に遭遇する場面があるため備えたかった
職場(大学)の体験活動時におけるリスクマネジメント
更新のため
安全に関する知識・スキルが欲しかった
野外に携わるものとして、必要な資格だと思ったから。取り直しも兼ねて参加
過去に大きな怪我現場に立ち会った経験から、自分の対応に自信を付けたかったため
野外で働いてるので、必要な講習だと思ったから
友人に誘われたこと。野外救急に関する知識・スキルが自分の中で点在しており、体系的に学びたかったから
講習会で最もためになったこと
避難レベルの捉え方
全ての知識・技能がためになりました。また、単に救急法を学ぶのではなく、全ての原因には理由があり、まずはその理由を知ることが、根拠に基づいた適切な対応を生むことにつながるという根本的思考を訓練できたことは、野外救急に留まらない有意義な研修になりました
救助における優先順次。頭が混乱した際に、システムを利用して救助にあたることの練習ができた点
ほかの救急法(都市救急など)とWFAの関係性。我々は野外の救急の場面で、何をして、何をしないのか
傷病者のどこから確認していけばいいか、判断できるようになった。
BLSの手順と時間的リミットの構成
S/Sxによってどの程度の避難必須状況なのか、都市であっても知っておくべき症状を学べたこと
実際を想定してのシミュレーション
解剖学及び生理学の理論。シミュレーションでの自分の精神状態を知ることができた
学びや気づき
野外活動の仕事と普段の趣味での山登り
体験活動を活用できる保育士養成プログラムを展開し、そのプロセスにおいては野外活動を取り入れたいと考えています。実際は都市救急の範囲になろうかと思いますが、WFAが、①まずはそれらのプログラムを開催するにあたっての大学への信頼感につながります。②そして、救急搬送に時間を要する場合等の時、適切な対処を行うことができます。 また、③趣味の範囲の野外場面であっても、傷病者に対して一歩踏み出した対応をできます
仕事の現場、また今後、可能性のあるキャリアにおいて、アクシデントが起こった際に生かしたい
野外での活動の諸々の場面
仕事で
活かす機会が全くなければよいが、知識と技術は確立・維持・向上していき、勤務先での事故事件やプライベートでのアウトドア活動時など
怪我・疾病のS/Sxを理解することがそれらの怪我を防ぐ知識にも繋がっている。まずはそこから始め、救急法の学びを深めていきたい
野外での指導、プライベートでのアウトドア活動
自身の企画するキャンプやそのスタッフへの知識・スキルの共有。また、「野外で飲み起こること」に限定しない内容だったので、特に熱中症等は予防して未然に防ぎたい
受講しての感想
頭にインプットしたものが、実際に冷静的確に行動に移せないことがもどかしいかった。
まずは、インストラクターに感謝します。密度の濃い講習を受けることができたと満足しています。特に野外のみならず医学、解剖学まで通ずる知識・技能にはただただ感嘆しました。また、受講者の皆様も、何らかの野外ビジネスに携わる方々であり、様々な刺激をいただきました。学び合うことができたことを嬉しく思います。再掲しますが、多くの知識・技能を学ぶことができました。また、指導者となる立場の覚悟や責任についても改めて考えさせられました。野外救急に留まらず、人生の糧となった講習会であり、参加してよかったと心から思います。あっという間の3日間でした。
インストラクターはもちろんのこと、他の受講者と経験や知識を共有することができ、とても有意義な3日間でした。 自分の成長につながる様な講習だったと感じます。
とにかく、受けてよかったです。講習内で扱われた、医学や解剖学などの知識を深く理解するとともに、知見をさらに広めてみたいなとも思いました。 WFAで習ったことを生かす場面をなるべく作らないというのはまず大前提にあったうえで、でもこの講習で得た考え方や、マインドセットの経験(ロジックに、かつスピーディーに正確に)をこれからの自分の多方面に生かせたら、と思います。
今まで野外活動を指導してきて、この知識がないまま野外に連れて行っていたと思うと怖いと思った。野外で活動する人たちにとっては必須の資格(知識)だと思う。
内容の濃い時間を過ごせて、受講前より格段に意識が変わり、新しい知識と技術を得られた。
目から鱗が出るような知識や野外ならではのアイデアに触れることができた。上記でも記載したように「救急法」だけでなく、プログラム進行や計画、防止にも繋がる機会だった。
新しい知識を取り入れて、これからの野外での活動が有意義になるなと 思いました。 また、他の野外で活動されてる方の話も聞けるので刺激を受けた3日間でした。
理論と実践がちょうどいいバランスで設計されていたため、習った知識をすぐに使ってみることができて本当に良かった。講義内容は「なんで?」と思ったことが次々と解消されていて、質問する時間もあったため、自分の中で納得しながら進めることができた。
受講者からの推薦メッセージ
野外で活動する者がそれぞれ学び備えたら、容易に救急車がこない場所で救える命が増えると思います。自分のために、お互いのためにトライしてみてください。
遊びからビジネスまで野外で活動する全ての皆様にお勧めします。万が一のとき、親として、友人として、催行者として、適切に行動できることで人命や会社の責任を守ることができます。私は今まで「こうなったらこうする」というマニュアル化された対処のことしか頭にありませんでしたが、この講習会では「なぜこうなるのか」という原因、「こうなるとは具体的にどのようなことか」という症状、「なぜこうするのか」という根拠、といったことを体系的に学ぶことができます。また、実践と講師のフィードバックを通した学習ですので、知識・技能の理解度が圧倒的に高いことも特徴だと思います。濃密で目からウロコの講習会です。必要なリスクマネジメントとしてぜひご検討ください。
WFAの知識が身につく事により、自信の増加及び今後の成長へのモチベーションにつながると思います。
たいへん内容の濃い講習でした。スキル・知識・考え方、それら全てを組み合わせたうえでの実技の時間が素晴らしく、勉強になりました。
都市救急とは似て非なるもので個人の立場やフィールドにマッチするしないはあるが、間口を覗いてみて知る意味も価値もあると考えます。
受講した後と前では怪我に対する視点と価値観が変わります。絶対損はしません。
受けて損は無い講習だと思います。 野外で活動されてる方、是非受けてください。
シミュレーションですら、救助役は心拍が上がって頭は混乱しました。でも、講義でのまなびがあって、落ち着いてフローチャートを読み解いていくことで、少し「対処できるかも?」という自信にはなるので、そういう場面に遭遇しても「頭と体は動かせる」準備はできたと思います。大げさではなく、自分の企画や、怪我・事故に関して見える景色がすこーし変わって、新しい自分にアップデートできたと思います。 雰囲気もいいし、わかりやすいのでおすすめです。
講習会場
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